『キングスマン』スーツと眼鏡と、マナーで紳士

生まれは平民、育ちも平民。
しかしそれで終わりではない。
彼は言った。マナーが人を、紳士を作るのだと。

基礎情報

原題:Kingsman:The Secret Service
2015 アメリカ 20thFOX 129分
監督:マシュー・ヴォーン
主演:タロン・エガートン、コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソン
字幕翻訳:後日
キャッチコピー:表の顔は、高級テーラー。しかしその実態は、世界最強のスパイ機関 [キングスマン ]。

総合レビュー(ネタバレなし)

英国の紳士がマナーの物腰で戦う紳士的スパイアクション。
上映時間は130分と少し長めだが、それでも退屈はしない。
というよりも退屈のしようがない。
スパイものの映画でもメインはアクションにあるからだ。
見せ場のアクションシーンではノーカットではないかと思わせるほど目に連続的な映像が展開され、カメラワークも躍動的で臨場感が強い。
少々悪ふざけが過ぎるような笑いどころもあり、ハチャメチャである。
ディパーテッドや裏切りのサーカスなどの印象でスパイものと聞いて固そうな映画を連想してしまう人にこそみてもらいたい映画だ。

ただし、グロテスクを押し出した映画ではないもののR-15らしく血しぶきの類は全編通して出てくるので苦手な人は注意が必要だ。

この先ネタバレを含みます

キングスマンをみて

この映画も話の流れは王道。
くすぶっている主人公が外的なきっかけを元に成長していく。
今回はそれが紳士でありスパイだった。

そういった王道を進んでいく主人公エグジーの他にその師匠ハリーがほとんど主人公のような活躍を見せていてダブル主人公と言っても良いかもしれない。
その二人が戦うとなったらそれはそれはカメラがよく動く。
アクションの中で魅せる工夫の視線誘導は臨場感を生むがその分人によっては酔ってしまうかもしれない。

軽快なアクション

キングスマンが終わって何が残るかといったらアクションしかありません。
物語の流れや登場人物の思惑や行動、それらの方が映画のおまけなのです。

始まってすぐにある教授の救出に一人のキングスマンが送り込まれます。
ここでこの映画はこういうものですよと完璧な説明がアクションするわけです。

紳士が教授を監禁する武装集団を制圧する。
人を動かしカメラを動かし、誰がどこに向け銃弾を放ちそれがどこに命中するかといったアクションとしての軌跡を映し何がどうなるかは全て映像で訴えてくる。
そして最後の一人を撃ち殺したところで落下するお酒を華麗にキャッチする。
この映画で大事なのはアクションの軌跡とスーツとお酒、それと眼鏡です。

アクションシーンは基本的に紳士vs集団になるため、そこで展開されるピタゴラスイッチ的な360度アクションはまさに興奮必至の映像美。

中盤キングスマンのガラハットことハリーが教会の中でバトルロイヤルするシーンがあるが、ここなどまるでワンカット。
長回しが行なわれているんじゃないかというほど連続的なノンストップ殺戮が展開される。

その他に注目してもらいたいのは敵役として出てくる両足が剣の女の子。
可愛い。めっちゃ強い。服装もまさに刺客といった様でとても可愛い。

敵まで魅力的

キングスマンの敵となる相手の目的は地球の浄化。
大変な富豪のリッチモンド・ヴァレンタインは地球環境の保護に力を入れていたが、もうどうにもならないので諸悪の根源である人類を少々減らそうという計画にでる。
その手段がなかなか斬新で、お金にもの言わせ世界中にフリーのSIMカードを配布しインターネットを掌握。
そこから発せられる凶暴化する音波によって殺しあってもらうのだ。
選ばれた要人たちはそれを無効化するチップを埋め込まれていて、優雅に新世界へと踏み出すのである。

極論に踏み切りかなり極悪非道な行いではあるが、このヴァレンタインがどうにも憎めないタイプで面白い。
彼は血が駄目で戦闘行為のあった部屋に入る際には死体が見えないように覆いをしてもらったり、相手の頭を銃で撃ち抜けるにも関わらずそれを確認することができない。
一方で敵情視察を兼ねつつおしゃれもするしマクドナルドのバーガーも食べる。
凶暴化を防ぐためのチップには裏切り防止用の爆弾を仕掛けていたりもする策士の一面も持っていたりする。

狡猾でお茶目、彼自身はアクションをしないがアクションで訴えてくる映画においてもその存在感は眩い。

全体として

主人公自身の成長が物語として含まれているので全編通してノンストップアクションという風にはいかないが、要所で挟まれるアクションは必見の一言。

悪ふざけしている場面が大小問わずあり多少下品に感じられることがあるかもしれないが、それもバトル映像によって些細なものとして最終的には黙ることができるはずだ。

アクションがみたい人も、紳士がみたい人も、コリン・ファースがみたい人も、何がみたい人に対しても勧められる良い映画なのでみてない人には是非みてもらいたい。

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