『ワイルドなスピード AHO MISSION』 速度は頭脳に反比例する

人は何故歩くのか。
知能指数を上げる必要もない、足腰を鍛える必要もない。
ただ早く、アホになれば良い。それだけで歩くよりは少し速い。

基礎情報

原題:SUPER FAST!
2016 アメリカ 3 in the Box 99分
監督:ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー
主演:アレックス・アッシュボー、デイル・パヴィンスキー
字幕翻訳:後日
キャッチコピー:They’re going nowhere…fast.

日本は不明、または
通行止め、アホを除く
誰か、コイツらを止めてくれえええええ!!
A:歩くより H:早いぜ! O:俺たち
など(パッケージより)

この先ネタバレを含みます

総合レビュー(ネタバレ有り)

ワイルドなスピードのパロディ映画、パロディコメディは舐めてはいけない。
パロディ映画の何が良いかといえば100%コメディだということだと思う。
何も考えることなく、元の作品を知っているかどうかに関わらず、楽しむことができて知っていればなおのこと面白い。
しかし、パロディものに拒否反応を示す人がいるので人に勧める場合は注意が必要だ。

このワイルドなスピード AHO MISSION、もちろんワイルドスピードシリーズが元ネタ。
自分は3までしかみていないが、1と2に関してはそれと分かるネタが盛り込まれており何回かクスりとさせられた。
3はそもそも舞台が何故か東京で、どう見ても納得できない高校生設定の人物たちが東京を走り回りヤクザと車で勝負する謎の作品で、シリーズの時系列的にも後ろの方に追いやられているらしいので、今回のAHO MISSIONではなりを潜めていたのではないかと思う。
3が嫌いゆえに覚えておらずということもあるかもしれない。

さて、この映画の内容だが大筋は1と同じ。
窃盗の疑いのある集団に警官が潜入捜査を仕掛けるが、時間が経つにつれて友情が芽生え、お互いを理解しあう形で終了する。
この映画ではそこに2の要素が少し入って共通の敵となる相手が存在している。
あらすじだけならごく普通の映画として既に撮影されてそうな雰囲気を持っているが、そんな凡庸で終わらせてはいけないのがパロディ映画だ。
パロディ特有の頭のおかしい登場人物たちが普通であることを全力で拒否している。

例えば主人公は身分を隠して潜入捜査をしているが、本当の身分を知る唯一の上司を射殺してしまうし、射殺はできるのに手の中で爆弾が爆発しても焦げただけで生き残る。
主人公側の人数合わせで目の保養係の美人や謎のアジアン、(おそらく本物の)ラッパーを追加するなど面接は厳しい。
劇中で起きた事件を捜査するために出てくる警察はムキムキマッチョはウルトラ馬鹿で常にベビーオイルを体に塗りたくっていて、心の底から「もっと筋肉で考えろ!」と叫んでくる。

この連中と比べると共通の敵である相手側がそこそこまともな人々に見えてくるから不思議だ。
それでも自分たちの運転係を選定する際に、ダンスバトルを課題と自由の2科目で争うのだからやはり変な連中であることに疑いはない。
このダンスが皆上手なのがまた卑怯だ。

パロディ映画の面白いと言える要素に笑いがあまり下品ではないということがある。
実はこの要素は非常に重要で、恋人や家族とコメディでも観ようとよく調べもしないで例えばTEDなんかをレンタルしようものなら地獄のような2時間が展開されその後の人間関係に多大な影響を与えること必至である。
パロディ映画というのは笑いを取る基本がパロディであるということにあるので下ネタで無理やり笑いを取りに来る必要がないのだ。
もちろん必ずしもそうではない場合もあるし元の作品が少々下品であればパロディも下品な笑いを誘ってくることもあるだろう、また下品とは別に現実感溢れる描写はされないものの腕がとれたり腹が観音開きになったりとグロテスクな笑いを取りに来る場合はそれなりの頻度である気がするので覚えておいた方が良いかもしれない。

パロディ映画はラストシーンからエンドロールに入ると見せかけてNG集に移行することも珍しくないのでジャッキー映画に親しみがある人以外は最後まで楽しめるように時間と心に余裕をもってみてもらいたい。

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