『トリプル9 裏切りのコード』

そのコードは仲間の証、そのコードは裏切りの証。
発令される999、このコードはどちらだ。
結局信じられるのは自分だけ。

基礎情報

原題:Triple 9
2016 アメリカ Worldview 115分
監督:ジョン・ヒルコート
主演:キウェテル・イジョフォー、ケイシー・アフレック
字幕翻訳:後日
キャッチコピー:”最悪”の警察コード、[999]発令!

総合レビュー(ネタバレなし)

よくあるクライムアクションの映画。
誰もが知るとはまでは行かないが意外に映画でよく見る顔が揃っている。
ブレイキングバッドで相棒元生徒のアーロン・ポール。
ゾンビランドなどで見たウディ・ハレルソン。
アベンジャーズで機械の鳥?やってるアンソニー・マッキー。
それでも夜は明けるで主演のキウェテル・イジョフォー。
ウォーキング・デッドでダリルやってるノーマン・リーダス。

しかし面白さと俳優の豪華具合は必ずしも比例しない。
この映画もつまらないというわけではないが面白さは脆い。
話そのものは月並みで味が薄く、雰囲気も画面そのものも暗い。
この手の犯罪もの映画では色々な作品の下位互換的な位置ではないだろうか。

この先ネタバレを含みます

トリプル9をみて

始め、ダリルやってるノーマン・リーダスが映り方的に主人公ポジションの人物に見えたのでそこそこわくわくして観ていたのだが、115分の内前半も前半の物語が動き出す直前にあっけもなく死んでしまい肩透かしをくらってしまった。
そこは自分の勝手だが何者かに不意を突かれ傷を負い苦しいので楽にしてくれと仲間に射殺されるという流れ。
この流れで少しずつこの映画に対する不信感が高まり始める。

話全体の構図としては、元軍人と悪徳警官のメンバーたちがロシア由来のマフィアにこき使われていて、離脱のため最後の仕事をこなすというもの。
そこに善良な警官とその息子、マフィア現ボスの女、メンバーそれぞれの欲と望みが混ざり合うことで群像劇的な様相が出ている。
しかしこの群像劇的というのが厄介で、この映画においては失敗していると感じた。
それぞれのキャラが立っておらず名前と人間関係を把握するのに時間がかかる、それぞれの人物たちに個人の緊密な繋がりがあるわけでもないので人間関係が複雑というよりは単に煩雑。
その上群像劇的であるために誰の視点で見て良いのか混乱し、さらに物語が月並のもののため神の視点で俯瞰から見るという楽しみ方では集中力が続きにくい。

この作風で観る側を楽しませるならそれぞれの人物の背景を深く掘り下げる必要があるので映画というよりはドラマでやってもらえれば面白くみられたのではないかと思う。

物語のピークとしては日本タイトルにもなっているトリプル9の場面のはずだが、ここに至る快感や高揚感もやはり薄い。
トリプル9とは警官が殺されたりそれに近い重傷を負う被害にあった場合コード999が発令され、それを受けた警官が現在の職務を全て中止しコードの現場へ急行するというもの。
映画ではこれにより警官を遠ざけ目的の強盗を成功に導くという手段になっている。
このため強盗メンバー内の警官が本来仲間の警官を殺して999を発令するという手筈を踏むことになる。
そこで、果たして無実の警官をこのためだけに殺すことが出来るのかと射殺担当になったメンバーが決行の直前まで葛藤を続けるのだが、残念なことに人物の掘り下げがなく感情移入が済んでいないため共感することが出来ない。
葛藤よりも強盗仲間の生死もかかっているのだからやるなら早くやってくれと思うばかり。

ラストシーンでも疑問符を残す終わり方で、納得や気持ちの良い余韻を残してくれない。
強盗メンバーの逮捕に意欲を燃やしていた善良な警官が残った最後のメンバーを特定することに成功。
そして当人の車に忍び込み車に乗り込んできたところを銃撃するというこれも映画ではよくある襲撃手段を取る。
それ自体は成功するが、その警官も相手の銃弾を胸に受け血を流し苦し気な表情を映しながらエンドロールへと突入する。

この警官、最初の登場や中盤にも度々有能さを匂わせる台詞や行動がみられる。
そうであればこそこのラストシーン、自分から襲撃に行ったのだから防弾チョッキの一つくらい着ていってほしい。
この手の映画はよくあるものの名作もやはり多くあり、物語としてはある種の雛形になっているため、それらの雰囲気を出したかったのかもしれない。
しかしそれにしては物語が弱く、その弱さを演出するのが登場人物というのは皮肉だ。
全体の雰囲気はもちろんのこと、映像自体もだいぶ暗い。
物語の弱さも相まって集中して観るのには少し難しい映画になるとように思う。

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